第4回Next-Lオフラインミーティング

  • 日時:2010年9月11日(土)16:00〜18:00
  • 場所:慶応大学 三田キャンパス
  • 参加者:原田、田辺、高久、小谷、林、沢辺、浅川

 現状把握

稼働館が徐々に増え始めている。

  1. 東京基督教大学図書館
  2. 国立国会図書館
  3. 萩市立明木図書館
  4. 日本図書館協会資料室
  5. 農林水産研究情報総合センター
  6. 笹川スポーツ財団
  7. 三菱総合研究所

東京基督教大学図書館

  • おととしの図書館総合展での導入館応募の当選分。
  • 図書館全体の情報館との併用。
  • 稼働済み試行運用中(外部公開OPACは既存のものを使用)。

国立国会図書館

  • NTTデータによる運用。
  • UI+次世代OPAC+横断検索部分。
  • NDL-OPAC+ゆにか+レファ協+近デジ+...(次世代PORTA)
    • 億に近いデータ量でEnju本体の管理機構だけでは厳しい。
    • 収集、同定、インデックスをHadoop実装で実現。
    • 同定済みデータに対するUIなどをEnjuモジュールから提供。
  • 8/17に稼働・公開開始。
  • OSSとしてコミュニティへ還元することを前提として構築。
  • 動作の遅さは判明(データ量の問題から・・・)
    • Hadoopだけでも厳しい状況に。
    • Enju本体のリエンジニアリングも予定

萩市立明木図書館

  • データ移行および蔵書検索の段階までは実現完了。
  • 業務移行の支援がこれから。

日本図書館協会資料室

  • 書籍資料だけではなく、新聞や記事管理などに使いたい、との意向。

農林水産研究情報総合センター

  • データインポートにやや問題が出ている。
  • 試行評価中。

笹川スポーツ財団

  • 図書室の新規開室。書籍3,000冊/雑誌2,000冊を新規入力中。
  • ISBN/ISSNをキーにした入力。雑誌は、表紙や目次PDFなども館内利用としてデータ作成中。
  • 11月内に開館予定。

三菱総合研究所

  • クラウドユーザー研究会を立ち上げ。
  • 地方自治体向け:在宅介護・観光資源開発から図書館システムまで、プロトタイプ開発を意図。
  • 図書館システムの基盤としては、Enjuの採用を予定。
  • Enju本体の開発個所については、コミュニティへの還元・貢献を予定。

その他

  • ほかにも、引き合いは複数来ている。
  • 筑波大の演習授業・Rubyを使ったOPAC構築実習で、Enjuを使うという話もあり。
  • 個人でのテスト試用も、いくつかやっている、という話は聞いている。

 ドキュメント整備

  • 現状ではドキュメントが少ないのが致命的で、そのままで使っていくにも難しい状況。
  • 導入、インストール設定、操作マニュアルを執筆中。
  • 開発者・田辺さんしか操作・設定方法がわからない状況では先に進むのは厳しいかもしれない。

 販売形態

  • 合同会社次世代図書館システム+リョーザンでの導入。
  • (笹川財団のように) 図書館システム未整備のところに対して、データ入力からサービス構築まで、という展開を予定。
  • MRI: 地方自治体への展開を検討中。開発面での協力も検討中。
  • オープンテクノロジーズ+住友電設:専門図書館、大学図書館への展開を検討中。
  • 三菱スペースソフトウェア:農水情セでの運用にかかわっている。

 システム面での課題

  • DoS対策:負荷が高い状況でもできるだけ貸出返却や利用者管理の業務が停止してしまわないように。
  • Primo(UI/OPAC)とAleph(業務管理モジュール)に相当するような形でアーキテクチャを切り分けたい。
  • FRBR(著作同定、著者同定・典拠)処理部分がかなり重い。
    • 大部分の図書館での業務では不要な場合が多い。
  • enju_root, enju_leaf という2つへの切り分けは、FRBR処理や統合書誌管理の切り分け。
  • enju_leaf の切り分けを検討中。
  • enju_flower(仮):UI/OPAC利用者向けモジュールとして切り分けたアーキテクチャを予定。
  • バージョン0.4にて、3モジュールへの分割。
  • 従来通り、Flower(仮)も含めて、すべてRailsで実装。
  • Flower(仮)はAPIベースの疎結合で実現し、EnjuLeaf以外の図書システムに対しても、対応させる。
    • つまり、MELIL/iLis/Alephなどに、次世代型のUI・利用者インタフェースを外付け可能とさせたい(まだ構想段階だが・・・)。
    • VuFindなど海外の次世代OPACツールと同等のモデル。
    • 図書館システムを良いものにしていきたい、という原点から:Enjuの採用だけでなく、それ以外のシステムに対しても発展させていきたい。APIそのものの標準化を目指したい。
  • 従来からの図書館がもっとも導入しやすいモデルは、enju_flowerだけをひとまず導入するという手が出てくる。
  • 共通API:まだ形が見えてこない。関係者で議論しながら、一定のオーソライズしていく必要あり。
    • プロトコルそのものは、SRU/SRW, NCIP, Jangle, etc. 選択肢はあるが、内形式が問題。
    • Code4Lib Japanや国内の図書館関係者と議論する必要あり…。たたき台を作りたい。
    • Ex. FRBR同定用API:同定ID(JP番号, TRC No., NII...)や同定取扱規則そのものを扱えるような形。
    • 運用組織という形まで考えないと難しいので、技術的にできる範囲を検討する必要あり。
    • 本気でやるなら、3省懇談会などの提案にも、絡んでいかなければならないのではないか? cf. http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_01000001.html
    • まず現実的には、NDL, NII, JST, Amazon, 出版社など、複数のIDプロバイダーのうち、対応モジュールをそれぞれ作っていく、という手しかないのではないか?
    • 少なくとも、1つくらいは実装し、次を作るときにプロバイダーと相談しながら共通APIを考えていくという手も。
    • 古い書籍にたいして、ISBNを振りなおす、「Enju出版」といった運用も考えうる…か?

 開発体制

  • もっとしっかりさせていくべき;課題。
  • PRもすべき。NDLシステムが公開されたのに、あまり知られていない。広まっていない。

 その他

  • 単にEnjuが今できるものだけでなく、プラスアルファを考えなければ。
    • 図書館員の知識・人手を活用できるかたちを
    • レファレンス活用、書評・新聞への掲載情報、地域のイベント情報、、、
    • 入試問題との関連付け、貸出等利用履歴、指導要領との関連付けなどなど。 やれることは多い。

 NDLサーチ開発版

  • Enju外付け実装部分は、オープンソースとして提供される。
  • 提供実装部分を、どうEnjuにマージするか?
    • PR広報の一環としてプレスリリースを。
    • 個別の図書館ごとの採用・導入でもプレスリリースを!

 今後のスケジュール

  • 図書館総合展:11/24-26. Next-Lでのポスター発表。
  • 11/25: MRI - クラウドユーザー研究会開催?
  • Ust:NDL側、外部、開発関係者。
  • Version 1.0 を期して、シンポジウムイベント等を検討したい。

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